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イシズカケイのめんどくさいオジサン

HIPHOPと漫画とお酒が好きな、中年のブログ。

中学の頃読んでいたらトラウマになったであろう青春漫画!「月光の囁き」

漫画
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先日、久しぶりにキュンキュンしたいと思って(おじさんだけどそんな夜はある)、喜国雅彦の「月光の囁き」という漫画を読んだら、自分が大好きな安達哲先生の「さくらの唄」や押見修造先生の「惡の華 」みたいに、中学の頃読んでいたらトラウマになったであろうと思ったので紹介しようと思う。

ただの童貞青春漫画と思いきや…

同じ剣道部に籍を置く高校生の日高拓也と北原紗月。それまで、互いに好意を持ちつつ仲のよい友だちとして振舞っていた二人だったが、ふとしたきっかけでようやく恋人に発展。自転車二人乗りでの登校、図書室でのデートといった交際に喜びを感じていた紗月に対し、拓也はそうした普通の恋愛では満たされない想いがあった……。

 序盤の展開は、同じ剣道部のマドンナ的存在の紗月に、妄想を繰り返す主人公の拓也。クラスメートの丸山(スラムダンクのゴリのパクリみたいな見た目)とどーしようもない下ネタを言い合いなら、キャッキャッしている。まさに童貞青春漫画の王道的な展開だ。

だが、拓也は、妄想だけでは治まらず、紗月を盗撮したり、ブルマの匂いを嗅いだり、リップを盗んでお尻に突っ込んじゃったり…かなり攻めている変態だ。

実際に紗月と付き合い最後までいくのだが、なぜか満たされない思いをする。そして以前行っていたことのほうが、興奮することに気づく。自分が変態だと気づいてしまうのだ。

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紗月も拓也の部屋から、自分の写真やトイレで用を足している音を録音しているテープなどなど発見してして、拓也に対して嫌悪する。

そのあと、紗月がヤクザの息子に好かれて拉致されてしまい、そこで拓也が命をかけて、紗月を助ける。二人は普通の恋愛ではない、愛憎混じった離れられない異様な関係になってしまう。

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この拓也の設定が秀逸なのが、あくまでも表向きは、あだち充の漫画に出てきそうな、さわやかな男で、しかも序盤では拓也視点でものごとが語られない。ひたすら変態的な行為を繰り返し、変態的な発言を繰り返す。ナチュラルボーンな変態なのだ。

そんな拓也は、性的行為には趣を置いていない。性的行為自体は軽いっしょ!?的な発言をしているシーンもある。性的行為が重要である童貞青春漫画ではないのだ。

暴力こそが最大のコミュニケーション!?

ナチュラルボーン変態の拓也にドン引きしつつ、ヤクザの息子から助けてもらった恩と傷を負わしてしまった罪悪感で関係を続ける紗月。その過程で、紗月はサド的な歓楽に目覚めはじめ、おかしくなっていってしまう。

先ほど紹介した「惡の華」でいう、仲村と春日、春日と佐伯の関係みたいなものだ。

この過程が、最高にエロティックで興奮するし、感動する。読みどころだ。

自分の中に生まれてくる暴力性、残酷性を嫌悪しつつ、エスカレートをして落ちていく紗月。本当は普通に愛したいのだけど、変態的な行為でしか快楽が得られず、愛情表現もできない拓也。この二人が共依存の関係性になるのだけど、どうしても幸せになれない感じがもどかしいし、切ない。

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だが、この愛憎混じった関係性だからこそ、ものすごーく固い結びつきがある。普段は目を合わせないのだが、目と目で会話したり、テレパシーみたいな以心伝心しているシーンがいくつかもある。この関係に困惑する周りの登場人物もなんだかリアルだ。

ちなみに自分の友人が「暴力こそが最大のコミュニケーション!」と酒の席で言っていたが、この漫画を読んでちょっと理解できたかと思う。

深い関係性を築くひとつには、やっぱりお互い心の奥のモヤモヤを吐き出しあわなきゃってところがあって、それを出すためには負荷をかけるということが手っ取り早いかもしれない。

また、傷が深ければ深いほど、傷つけたほうも傷ついたほうもお互いを忘れない。またその傷が治らないことで、その傷を保管しあう関係になれるかもしれない。

幸せになれなそうだけど、強度はかなりのものになるのかも…。

こーいうのってSMって言うんですか?よくわかりません。教えてくださーい。

関係性がエロいんだ

月光の囁き」の感想をざっくり書いてきましたが、最後にエロについて。

今作は絵がそんなにリアルで肉々しいってわけじゃないし、絵も古いなぁ~印象はある。でもものすご~く興奮しました。

これは、絵的なものにエロを感じるよりも、関係性からエロを感じるってことのほうが強いってことなんだと感じました。たしかに「ノルウェイの森」も親友の死でつながった主人公と直子の関係性からの性的シーンは、エロかったもんなぁ~。

そんなわけで、エロは絵よりも関係性が大事っていうお話でした。以上でーす。

皆さんも是非「月光の囁き」を読んでくださいませ。

自分的には最大級におすすめします!