先日、東京ポッド許可局の「推薦図書論」を聞いていて、サンキュータツオさんが「古レールの駅デザイン図鑑」という本を紹介していて、JR 代々木駅のホームは、使い古されたレールを再利用して造れているという話が印象的だったので、ググってみたらたしかにすごい技術だと思った。
「古レールの駅デザイン図鑑」著者の岸本章さんは、古レールで造られた駅に対して、すごい技術なのに人の目に触れているにも関わらず、人々の意識にも残っておらず、デザイナーとは呼ばれなかった切ない制作者のデザイン行為を着目して、本を作ったようです。
その問題意識が、自分の今やっている「デザイン」の仕事にほんのちょっとだけ通じるものを感じちゃって、なんかぐっときちゃった。
「デザイン」の仕事をはじめる前やはじめたばかりの頃は、デザイナーのイメージって…
アーティスト的!最先端!前衛的で尖っていてカッコいい!
そんな存在だと思ってました。
もちろんそういう主観や直感が優れている強いデザイナーもいるとは思うけど、ほとんどのデザイン行為がその逆で客観的な視点が大事なんだと。
今年から通いはじめ、先週終わった「人間中心設計」の講座を受けて、よりそう考えが強くなりました。
「デザイン」の仕事って、リサーチがとても大事だし、人のことを第一に考えなきゃならないし、例えその制作物が自分のセンス(主観)とは合わないものでも、届ける側が欲しているものだったら全然OKで。
主観より客観で、もちろん自分(個人)より制作物なんですね!!
そう考えると、古レールで駅を造った名もなきデザイナーと、利用者第一のサイトやページをつくる名もなきWebデザイナーである自分を重ねて…これでいいんだ!と強く思い、そして名もなき私も時代とともに消えていく…という世界観に浸っちゃって…自分の仕事に酔ってまったオンリーワンなオジサンでした。
通勤で使っている日暮里駅も古レールを採用してました。
実際見てみるとやっぱすごいわ。