めんどくさいオジサン

めんどくさいと言いながらいろいろやる趣味ブログ。最近は音楽制作とキャンプ。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の感想

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を見終わり、あの頃に友人にエヴァンゲリオンがやばいから映画を見に行こうと、『Air/まごころを、君に』を半ば強引に見せられたて、ドン引きをしたことを思い出した。その後その印象を引きずり、彼とは疎遠となってしまった。


思い出したのは、この映画で全て無かったことにしたと感じたからだ。


魔法少女まどか☆マギカ』では主人公まどかの願いで魔法少女がいない世界に戻したように、シンジが皆を救うためエヴァンゲリオンのない世界に戻した。


自分は彼とエヴァンゲリオンを一緒に見ていない世界に想像し、あれがなかったらまだ友人関係は続いただろうかと考えた。
少なからず社会現象までとなった強烈なエヴァンゲリオンという作品で影響で、ダメになった友人•恋人関係、世界観にのめり込みすぎて一時期かぶれしまってモテなかった、下手したら人生を棒に振ったなんて話もあるかもしれない。
そんな作品を作ってしまったことで、背負うことになった十字架を、庵野監督自身が捨てようとする作品のように思えた。
したがって、エヴァンゲリオンパイロットを一人ひとり解放していくシーンは、鑑賞者を呪縛から解くように丁寧で優しくてエモかった。
 
そしてエヴァンゲリオンをなかったことにしようとした結果、美女が助けて来てくれて、その美女と一緒に日常に戻るってのは、これは庵野監督が一度厳しく拒否したファンに対して、今回は少し優しく「でもな、こんなものばかり見てはダメだぞ」とのいう気遣いを感じた。

にしても、シンジはただのサラリーマンなったのだったというラストは、なんか笑えた。


アニメであれ、ゲームであれ、VRであれ、ARであれ、SNSであれ、メタバースであれ、花沢健吾の『ルサンチマン』のラストのように、『レディ•プレーヤー1』のラストのように過剰はダメだぞ。いつでも現実を選択しなきゃいけないのだよと、そんなメッセージを受け取った気がする。

 

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