めんどくさいオジサン

めんどくさいと言いながらいろいろやる趣味ブログ。最近は音楽制作とキャンプ。

意気揚々としているオジサンになれるヒントは『断片なものの社会学』に書いてある!

今年のお盆時期に読んだ本がとても穏やかな気持ちになる素敵な本だったので、紹介したいと思う。

いきなりですが、自分は昔から意気揚々している人がに憧れを抱き続けている。最初の記憶は、『元気が出るテレビ』に出演していた高田順二。そして、みうらじゅん安齋肇吉田類など。

最近では、チミドロというバンドのスズキナオという方で、「早く老人になりたい」というコラムをメディアで連載をしていて、度々チェックをしてたりする。

roujin.pico2culture.jp

もちろんリアルで出会った先輩達でお近づきになった方は、意気揚々としていた方が多い。

今回紹介する本の著者の岸政彦さんという社会学者で全く知らなかった方だったのだけど、『Session-22』というラジオ出演していて、その語り口や口調などがとても穏やかあり、意気揚々としていたので、この人の本を読んでみよう!と手に取ってみました。

 

断片的なものの社会学

断片的なものの社会学

 

この本は、岸政彦さんの研究テーマである沖縄、被差別部落、生活史などで、フィールドワークで出会った人や、なんでもない個人ブログで書かれていたことなどのエピソードがタイトルに書いてある通り、断片的に紹介がされている。 

例えば、インタビュー中に飼い犬が死んで一瞬怯んだが、すぐに何もなかったようにインタビューに答えるおじさん。全裸で家から銭湯へ行くおじいさん。家の近くに倒れていたホームレスのおじさんを助けて救急車を呼んだら、運ばれる時に「せめてお名前を〜」という言葉を残していったおじさん。このようなエピソードが断片に収録されている。 

読んでいて、このような少し不思議でちょっと面白いことに出くわすことはすごいし、実際に難しいと思った。

だけどこのようなおもしろいことは、実際に起きていると岸政彦さんはラジオで語っていた。多分、おもしろければなんでも良いと岸政彦さんは考えていると思う。そしてちょっとなら損しても構わない心構えを持っていると。

実際、まったくしらない赤の他人に話しかけるのは勇気がいることだし、ホームレスを助けるなんて正直ちょっと怖いしめんどくさい。だけどその恐怖やめんどくさいという気持ちよりもおもしろいじゃん!気持ちが優っているとおもしろいことに出会えることが増えていくのかなと思えた。

また、「あまり未確定なことを断定したくない」と岸政彦さんはラジオで語っていた。

これは昨今感じるなんでも白黒をつけたがる風潮の反対を行っていると思った。現在、ネットの繁栄により、情報が可視化された分、誰にでもわりと簡単に情報に触れることはできる。

自分が「これ怪しいぞ!」「これ嫌い!」と思った案件に対して、アンチの情報を見つけることはわりかし容易だと思う。

しかし著者は、簡単に手に入れることができる情報だけで断定するのではなく、実際に現場に行って目で見て声を聞いて確かめた情報を大切にしている。これは学者だからできることかもしれないし、著者である岸政彦さんや自分も同様で人の時間は有限だからすべては実際に見聞きすることはできない。

したがって、グレーゾーンでもいいじゃん的な心得が大事だと。

だけどすぐに白黒つけない代わりに、岸政彦さんはどうしようもない現状をちゃんと悩みながら生きている。

マイノリティーの側の人がフラットな感覚で過ごせる本当の意味で差別のない世界について、理想は提示できるか、その答えが思いつかなったり。だけど、その答えがわからないってことが、しょうがないじゃない…みたいな結論が心地が良いし、実際にそんなことばかりだから。

世の中を単純化してスッパリ言える人よりも、悩みながらどうしても歯切れが悪くなってしまう人のほうが信用ができると最近思う。逆に言えば、そういう人は問題解決力というビジネス的に重要とされている力があまりないのかもしれないけれども。これは『ハウスオブカード』を見て思ったんですが。

house-of-cards.jp

話は本に戻るけど、あとがきにこんなことをが書かれている。

そもそも、私たちは、本来的にとても孤独な存在です。言葉にすると当たり前すぎるのですが、それでも私たちにとっては小さいころからの謎なのですが、私たちは、これだけ多く人にかこまれてて暮らしているのに、脳のなかでは誰もがひとりきりなのです。

ひとつは、私たちは生まれつきとても孤独だということ。もうひとつは、だからこそもうすこし面と向かって話をしてもよいのではないか、ということ。こんなことを考えているうちに、この本ができました。

自分は友達から少し潔癖なところがあると言われたりする。頭ではわかっていても、実際に怖いと感じることが多い。でも上記のようなことを同意するし、この本で書かれていたことを意識することによって、少しは寛容になれるかもしれないし、そして意気揚々としているおじさんに近づけるかもしれない。

こんなつぶやきを見つけたのですが、自分も『Bitter, Sweet & Beautiful』とリンクしちゃっててやばいです!

 

Bitter,Sweet&Beautiful

Bitter,Sweet&Beautiful

 

 そんなわけで少しポエム入った記事になっちゃいました。笑

酒飲みながら書いたので、ご愛嬌ね。