めんどくさいオジサン

めんどくさいと言いながらいろいろやる趣味ブログ。最近は音楽制作とキャンプ。

禁じ手漫画!野田彩子の「わたしの宇宙」がユーモラスでした!

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 先日、同士であるサブカル糞野郎(失礼ですよね)な友人と新年会を行いました。場所は、池袋にあるもつ鍋帝王。見てのとおり、ニラの並べ方が芸術的。スープもかなりしょっぱくジャンク的だけど、ちゃんとモツの出汁が出ていて美味しかったです。締めでラーメン(中太縮れ麺)をもつ鍋入れて、こちらも格別でした。

ももつ鍋をつつきながら、健康や仕事などオジサン的な話をしながらも、やっぱり漫画の話で盛り上がる。

最近おもしろい漫画ある?っていうことで、貸してもらったのが、野田彩子の「わたしの宇宙」。こちらの漫画が、禁じ手を使っているのに、物語的にもおもしろかったので、紹介したいと思います。

 

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中学二年生の津乃峰アリスは、クラスメイトの星野宇宙から「自分達がいる世界はマンガで、僕が主人公である」と告白された。そう言われてみると、確かに見える「フキダシ」。常に“何者か”に“読まれている”状態での学校生活…アリスのプライベートも、心の中も、すべて丸見えに? そしてその先にある「真相」とは?

あらすじのとおり、メタフィクションです。

メタフィクションとは、ウディアレン監督の「アニー・ホール」で、いきなり観客に向かって、ウディアレンが話しかけてくる演出とか、「マルコヴィッチの穴」で有名な脚本家チャーリー・カウフマンの作品群で見られる物語のことを言います。ちなみにチャーリー・カウフマンがはじめてメガホンをとった「脳内ニューヨーク」のメタフィクションは、難解すぎて理解ができなかったなぁ…。

そんなメタフィクションを、漫画というフォーマットを使ってやっているのが「わたしの宇宙」という作品です。

「わたしの宇宙」の主人公はこの世界は漫画で、しかも自分が「わたしの宇宙」という漫画の主人公ということに気がついているのだ。

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例えば、フキダシが登場人物に見えてる設定とか、自分が主人公だから死なないとか。ここまではメタフィクションとして考えれる設定だとは思うんですが、読者(漫画を手にとって読んでいる私達)に覗かれているという設定がおもしろい。

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 主人公と同じく、自分の住む世界が漫画だと気づいている祖谷。読者にブチぎれるシーンなかなか面白かった。

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メタフィクションを使ったエロシーン。お風呂に入っている友達の裸を読者に覗かれないように、エロシーンよりも重要な展開を作ってフキダシを使って体を隠そうとするシーンはとてもユーモラスでした。

ただ、この手の漫画は出落ち巻が否めない。しかしこの作品は自分が漫画の主人公であることによっての葛藤が後半で描かれており、そのあと突如消えてしまう。まだまだ謎が多くて、物語の推進力が落ちないまま1巻を終える。2巻が楽しみです。

そんなわけで2014年早々、おもしろい漫画で出会えてよかったでーす。