めんどくさいオジサン

めんどくさいと言いながらいろいろやる趣味ブログ。最近は音楽制作とキャンプ。

waniwaveの曲を聴いてノスタルジーに浸り、現実までも受け止めよう!

今年32歳。世代的にはスーパーファミコン世代、もしくは小室ファミリーが大旋風を起こしていた世代、90年代に多感な時期を過ごした世代。

そんな自分が最近、手にするコンテンツは、ノスタルジーな気持ちを喚起させるものが多い。

例えば、押切蓮介の「ハイスコアガール」(早く権利関係なんとかして連載開始してほしいよ)、noteで配信中の山本さほの「岡崎に捧ぐ」などいろいろ。

ちょっと前までは、こういうノスタルジーを連想させるコンテンツには、「ALWAYS 三丁目の夕日'64」的な作品の嫌悪感のせいや昔はよかった論が大きくなっていたせいで、自分の心の中では取り扱い注意なものだった。
また当時は、仕事がアッパー系の企業だったり、今やっているレーベルの準備段階で、自分なりのちょっとした上昇志向だった。そういうコンテンツに対して後ろ向き過ぎないかと。

しかし、30歳を過ぎたあたりから、簡単に言えば世知辛い世の中に対して、気が張るのがあまり意味がないじゃんと思えてきた。

どう考えたってマクロ(ミクロで見れば良いことだってもちろんあるよ)で見れば、未来は明るい!とは明らかに言えない。景気や成長率、なくならない紛争、いつか来ると言われる地震、意味があるのかないのかわからない年金…ってもっとぶっちゃけますと、給料なんてなかなか上がらんし。なんとかミクスの効果ってどうなんすかね?

だからと言って、フェスに行ってイエーイ!とバカになって、心を抜くことなんて、へんな歳のとり方をしたせいで、頭悪いのに頭でっかちな自分には無理。
そこで昔はよかった!までは言わないけど、キラキラしていた少年時代、モヤモヤしていたけど片寄るぐらい好きなものがあった思春期。そんな時期を思い出すコンテンツが今はとても心地がよい。開き直った結果なんすかね。

ちょっと前ですが、waniwaveというラッパーがbandcampでリリースした3曲入りのEP(サンクラではあげていたけど、DLはできなかった)「ゲーム少年は裏ボスを目指す」をそんなノスタルジーな気持ちを思い起こさせてくれる作品となっています。
 
聴いてわかるとおり、リリックの内容は、90年代のゲームの話が多い。自分もハマっていたり、知っているゲームタイトルが大量にリリックに盛り込まれており、それだけで、ノスタルジーな気分に浸れる。

お前笑えるか?笑えばいいが

世界を見るためのメガネの話。

バカにするんなら、そうすりゃいいが

クールに生きる矜持の話

電車を降りて、秋葉原で手に入るこの世の全てのことだ

ナイツ、バーチャロンレイディアントシルバーガン

知らないなんてアホだ。

この憂鬱を全て吹き飛ばせ

今を駆け抜けてゆけ青いハリネズミ

グランディアをやったことないヤツと話なんかしたくないのさ

まだ聴こえるかまだ歌えるか

まだ、奇跡をお前は信じるか

まだ聴こえるか、まだ覚えているか

おなじみのメロディの

 

セガサターンしろ」より引用

 
また、waniwaveさんは32ビット戦争でセガサターンを選んだほうの人間で、それがアイデンティティーになっており、その影響で世界の見方が決定してしまったということを曲で言っている。
これは、セガサターンを選び、PSに移った人間を裏切り者!を罵っていた自分も頷けることで、その選択のせいで、メジャーなものに対してはまず疑いから入ってしまったり(iPhoneが出たときは大分疑いました)、使い勝手が悪い異物なものや、ストレートな良さがなくましてや良いのか?悪いのか?理解できない音楽に逆にいいね!とか味がある!ということでチョイスしてしまったりする。
 …と言いつつもグランディアが出ることにはPSを持っていて、最終的にはドリームキャストを買わないで、PS2を買ってしまい、自分が裏切り者になってしまったのです…それは今にも見受けられて、物事やこだわりを突き通すことができなかったりします。でもわかるんです!waniwaveさんの気持ちが!本当です!
 
waniwaveさんの曲は、同調ができる気持ちよさだけではなく、ちょっとめんどくさくちょっと生きづらいアイデンティーを持ってしまった人達も、現実に向き合い立ち向かわなければいけないとうたっていて、そこが背筋が伸びると言うか、完全に開き直っていないカッコ良さというか、大人的ないうか、サラリーマンとして生きる今の自分にはとても合っている。

散らかしたままの部屋を片付けて

窓を開け、服を着替える

僕らの愛した時代は死んだ。

襟を正し、そして生きてく。

散らかしたままの部屋を片付けて

窓を開け、服を着替える

君らの愛した時代は死んだ

目を開けろ、また始まる。

 

ゲーム的リアリズムの死亡」より引用

目に見えない、その死角に

石を投げつけながら進んでんだ

弱点属性、対処法を

いちいち殴られ学ぶシレン

色あせていく思い出と

いまでもやってるスーファミ

最低賃金労働と

現実とは目まぐるしい

朝マックしか、ない時間じゃん

夜更かし、身体をどっか壊してる

太陽光がDoTと化しちゃうひ弱な吸血症

ビーマニだったらPOOR連発のズレてる生活習慣で

もうちょいだから、あとすぐだから

少年は裏ボス目指す

 

「少年は荒野を目指す」より引用

 
セガサターンを選んだ側の人間だからってずっとセガサターンをのほうばっか向いていたら、現実では生きずらいっすよね。だからちょっとした妥協と言うと許容があったほうがもしかしたら中学生のころの自分にカッコ悪い!と言われるかもしれないけど、大人にはいろいろあるのさ♪と促すぐらいが良いと思う。
そして、たまには隠れてセガサターンをやればいいんだから。

これは最初だ

そして最後で

「もしこうしていたら」じゃ遅いし

恨み言を飲み込んだまま

吹きすさぶ風を睨む

これは最初で

そして最後の

たった一度の戦いなんだろ

だから勝つとか

負けないとか

ジャンプ的なことすらも言う

 

「少年は荒野を目指す」より引用

 
そう、あんなに嫌いだったキレイゴトだって仕方なく言う時だってある。ということで、waniwaveさん、最高です!おすすめさせていただきます!
 
最後に自分もノスタルジーな気分を何かにして吐き出したいと思い、PUNPEEの「Chrono Trigger」とMETEORの「4800日後」を、懐かしいゲームの音楽もろ使いでリミックスしました。こちらもチェックしていただけたら、嬉しいです!