めんどくさいオジサン

めんどくさいと言いながらいろいろやる趣味ブログ。最近は音楽制作とキャンプ。

SHIROBAKOの世界と現実をつなぐ「お仕事」と「お酒」

とある高校のアニメ同好会、文化祭に向けて、一本の手作りのアニメを作る。文化祭でのアニメ上映会はうまく行き、そして卒業式のあとアニメ同好会のメンバーで誓う。

「いつか絶対必ず、またこの5人でアニメーション作品を作りま…す!」

画面はぶつ切り気味で切り替わり、「2年と半年後」とテロップ。仕事に疲れている主人公の顔。SHIROBAKO 1話の冒頭シーン。見事な演出ではじまる。

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そんなSHIROBAKOにはまっていて、毎週見ながらビールを飲む時間が至福のひとときです。
そんなSHIROBAKOについて、熱量を込めて書いていきたいと思う。

アニメーションスタジオによるアニメーションスタジオを舞台にしたアニメ

SHIROBAKOは、アニメーションの製作過程をアニメーションで見せるという作品です。「バクマン」や「アオイホノオ」「僕の小規模な生活」古いものでは「まんが道」のように、漫画家が漫画家について描くという作品はたくさんあったのですが、アニメーションスタジオがアニメーションスタジオを描く作品は多分今までなかったと思います。

 

 

アオイホノオ 1 (ヤングサンデーコミックス)

アオイホノオ 1 (ヤングサンデーコミックス)

 

 

僕の小規模な生活(1) (KCデラックス モーニング)

僕の小規模な生活(1) (KCデラックス モーニング)

 

 

まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)

まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)

 

 

「お仕事」アニメ

アニメーションスタジオを描くということで、さまざまな登場人物が登場します。アニメ制作を進める制作、アニメーターや3D技術者などのクリエーター、物語をつくる監督や演出家や脚本家、仕事を取ってくる営業などなど…。
そんな人々が一丸になってアニメーション作品をつくる「お仕事」アニメでもある。
とにかくいろんな人が出てきて、わちゃわちゃ〜っと仕事をしていて、そこがおもしろい。
 

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自分は、「お仕事」をテーマに扱った作品が好きで、だからといって仕事人間ってわけじゃなく、正直〜めんどくさいと思ったりする仕事…ですが、日々いろいろ感じながら、働いている。
だから、「お仕事」をテーマに扱った作品を見たり読んだりするといろいろ考えるきっかけになったりして、それが良いんですな。
働きマン」や「東京トイボックス」などの漫画や、ここんところだと「舟を編む」なんてのもおもしろかった「お仕事」映画でした。

 

働きマン(1)

働きマン(1)

 

 

東京トイボックス 新装版 1

東京トイボックス 新装版 1

 

 

舟を編む 通常版 [DVD]

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「お仕事」作品と言っても、SHIROBAKOの登場人物達、特に主人公は「働きマン」や「東京トイボックス」の主人公みたいに熱血的だったり超絶的な何かがあったりしない。

逆に「何でこの仕事しているんだっけ?」と悩んでいるぐらい。誰もが一度は考えたことがある悩みだと思う。そんな問いに対して、先輩社員の助言や主人公らの行動で、なかなかグッとくる回答を提示してくれる。

見ているこっちも「そっか。そんな考え方があったか」と妙に納得してしまうシーンが本当に多い。

ひとつ例をあげると、1人の駆け出しアニメーターが、今のスキルでは負えないと思われる仕事を依頼され、プレッシャーに感じていた。そのときのベテランのおじいちゃん社員がその仕事受けたほうが良い!と言い、そのあとの一言。

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僕は僕より上手い人間が、わずかな自意識過剰やつまらない遠慮のせいでチャンスを取りこぼしてきたのを何度も見た…惜しいと思うよ、未だにね

そうそう。自意識過剰やつまらない遠慮で、消極的な行動ってとってしまいがちじゃないですか。ここは、なるほど~と深くうなずきましたよ。

そんな、なるほど〜ポイントがたくさんつまっているのが、SHIROBAKOの「お仕事」アニメとしての魅力です。

あとなんといってもおじさん達がイキイキしており大活躍しているのも、30代のおじさんとしてはなんともうれしい!

「お酒」アニメ

SHIROBAKOには、やたらとお酒を呑んでいるシーンが多い。

それはちゃんと仕事を描けているからだと思う。仕事が描けているからこそ、大人の息抜き場面として「お酒」を投入することによって、見ている人の共感度が上がる。

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また、「お酒」を絡めるシーンもバリエーションが豊か。

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昔の仲間達と思い出話と将来の展望を語り合いながら。隠れ家的にしっぽり一人酒。一本の大きな仕事がFIXして打ち上げ。接待。おでん屋台での仕事の愚痴。ひとり部屋でTVに映る成功者を嫉妬しながらカンチューハイ…とまぁいろいろです。

そのひとつひとつのシーンが、身に覚えがあるというか、それやったことある!見たことある!ってなる。

 

また、酒場の店主も良い顔してます。渋いです。

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作中で、登場人物の一人がバイトとして働く居酒屋があります。

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この店でさまざまなことが起こったりするのですが、居酒屋としてもとても魅力的に描かれています。

ここで呑みたい!と強く願っていたところ…。

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ぐぐってみたら実際あるお店だったので早速行ってきました!

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アニメそのまんまです!

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料理も美味しく、価格も安くて、店主と女将もやわらかい人達で、SHIROBAKOを見せてくれたりしました。

吉祥寺方面で用事があったら、また行こうかと思います。

そんなわけでSHIROBAKOほど、お酒を飲んでいるシーンがあったアニメは、今まで見たことがなかった思います。

ちなみに来週が最終回となるのですが、最高の打ち上げシーンに期待です!!!

最後に

SHIROBAKOの魅力を「お仕事」と「お酒」に分けて書いてきましたが、一般人として日常的に見たことのある風景が、SHIROBAKOにはたくさん収められていて、またそれが実写ではなくアニメってところに、自分は価値があると思います。

その価値は、すべて作り物のアニメなのにSHIROBAKOの世界と自分が暮らしている日常の世界が、つながっていると少しでも感じることができるところだと思います。

あの子が頑張っていたんだから、自分も頑張るぞ!と。

みなさんも是非、SHIROBAKOを見て、仕事をがんばって、そのあとは居酒屋に繰り出してください!

いつもの仕事がちょっとだけ楽しくなり、そのあとの1杯も美味しくなるはずです!

 

SHIROBAKO 第1巻 (初回生産限定版) [Blu-ray]

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コミックで高校時代を描かれているスピンオフも出てるんですね。

SHIROBAKO ~上山高校アニメーション同好会~ (1) (電撃コミックスNEXT)

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最終回を見たあと、思ったことについても書きました。一緒に読んでもらえたら幸いです。