先日、最終回を迎えたSHIROBAKO。当日は仕事をうおー!と終わらせて放送開始前から、イオンのTOPVALUを飲みながら高めてました時間がくるのを待ってました。
放送がはじまり、序盤からウルウルきちゃって(はじめは自分に自信がなかった絵麻が、自ら坂木が声優を担当したシーンをやりたい!というシーン)…
最後は「うしおととら」並に全員集合の大団円。最高の最終回でした!
最終回を見終わって数日経過しましたが、いろいろ考えたので(思い込みをあると思いますが…)、そのことについて書いていこうと思う。
最高の打ち上げ
まず、映画でも漫画でも物語の最後ある打ち上げシーンは、見ていて最高の多幸感がある。いろいろな苦難があってそれを乗り越え、一緒にがんばった仲間達と酒を酌み交わす。これは普段私達が行う、打ち上げと一緒。打ち上げがメンタルモデルの役割となっている。
例えば、「バトルシップ」や「エクスペンダブルズ」に打ち上げのシーンがなかったら、大分物足りない作品になっていると思う。
また、「狼の口 〜ヴォルフスムント〜」という漫画では、とある目標を達成したときの打ち上げのシーンが最高のカタルシスがあったり、「の・ようなもの」という映画では、最後のビアガーデンでの打ち上げ(仲間の昇格を祝っている)シーンは、映画として最高の余韻を残している。
SHIROBAKOでも、アニメ制作のすべて終わり、大きな会場を貸しきりの打ち上げシーンで物語は終わる。
エンドロールがはじめると、止め絵で打ち上げの様子が流れいく。この一枚いちまいが、SHIROBAKOの全24話内でおきたエピソードを連想させたり、意外な組み合わせだったり、キュンとくる関係性が連想できたりして、ベターな演出かもしれないが、打ち上げシーンとしては最高!!!でした。
自分が好きだったのが、平岡がトラブった人や苦言を呈した人達と、ちゃんと和解をしたらしく楽しそうに話している絵が、もう…グッときちゃいました。
手段が目的でもいいじゃん
物語後半から、「このままアニメをつくりにをやっていていいのか?」というふつふつした思いをかかえていた宮森が最終回で吹っ切れます。
アニメを作ることが好きだし…アニメを作る人が好きだから…
私、これからもずっとアニメを作りたい
宮森の仕事は制作を進行させる仕事で、直接アニメーションを作る仕事ではないですよね。そんな宮森がアニメーション制作現場で様々な人と出会って、物凄い技術や才能を見てきました。
また、高校時代で一緒にアニメを作った仲間達の成長を見てきました。そこで、宮森は多分ですが、これからもこの環境の中で存在したいと強く感じたのだと思います。その理由は単純に楽しいから。
アニメをつくりかかわる目的を考えてきて、例えば世界に通じる作品をつくるとかではなくて、アニメつくりの手段が楽しい!だからそれでいいじゃん!的な結論だと思います。
最近読んだ下記の記事の中で、「HUNTER×HUNTER」のジンが語っていることに近い感じがします。
「目的があって手段」って言われる昨今です。結果ばかりを追いかけてると消耗するし、おもしろいことができないじゃないですか。
だから、今の段階で目的を放棄した宮森の決断は、アニメ業界の中で仕事を続けていくには良い決断だったと自分は思います。
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何をやるかよりも、誰とやるか
昨日、「夢と狂気の王国」というスタジオジブリを追ったドキュメント映画を見ました。その中でプロデューサーの鈴木敏夫が「何をやるかよりも、誰とやるかがあって」みたいなことを言っていた。ただ、単純に宮崎駿と高畑勲と仕事をするのが楽しいからやってきてこれたとのこと。
また、今読んでいるピクサーの社長であるエド・キャットムルが書いた「ピクサー流 創造するちから」が、アイデアと仲間 どちらが大切か?という問いに対して、仲間だ!という内容の本になっている。
宮森もアニメをつくる人達と仕事するため、高校時代の仲間達とアニメをつくるために、アニメつくりの仕事を選択をした。
偶然なのか必然なのか…SHIROBAKOの宮森、スタジオジブリの鈴木敏夫、ピクサーのエド・キャットムルが同じようなことを答えを出していたことで、妙になるほど~と思った次第です。
…とまぁSHIROBAKOを見て仕事についてたくさん考えました。SHIROBAKOは立派な「お仕事」を題材にした大人向けのアニメだったと強く思いました!
ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法
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フィクションの価値
24話を通してSHIROBAKOでは、アニメ制作現場の描いてきたのだが、アニメでもわかる労働環境の過酷さ。実際に、この環境や条件で働くのは辛そうだな…と正直に感じました。
【画像】SHIROBAKOの年収格差が酷い アニメーターやってけないだろ…:わんこーる速報!
アニメ製作現場で働く人に対してちょっと失礼な言い方になってしまうかもしれませんが(本当にすみません)、アニメ制作現場で働く魅力と大変さを知ることができてなるほど!と思ったし、こういう世界こそフィクションにする価値があると思います。
そしてそこで働く人達がつぶれて欲しくないので、労働環境の改善をしてほしい!ってことで自分も少しでもお金落として応援しなきゃですね。
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SHIROBAKOのビールジョッキとかあればほしいな…。