めんどくさいオジサン

めんどくさいと言いながらいろいろやる趣味ブログ。最近は音楽制作とキャンプ。

新しいDJミックス「BEAUTIFUL DREAMER」の解説

師走ですね。

無事仕事を納めまして、毎日飲酒です。今も買い込んだ日本酒を飲んで、ポカポカしている状態のまま、このエントリーを書いてます。とりあえず師走は一年のうち、寒いのを抜かせば、もっとも好きなときかもしれません。

ところで先日、今年もお世話になっている内PEEEにて新しいミックスをリリースさせていただきました。感謝感謝!!!

  

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イシズカケイ / BEAUTIFUL DREAMER by 内Peee on Mixcloud

 

[TRACK LIST]

01. RIOW ARAI / sofine
02. Tenorio Jr. / Nebulosa
03. tha BOSS feat.般若 / NEW YEAR'S DAY
04. Peejay / I Get Lifted X Beenzino (feat. Beenzino)
05. A Tribe Called Quest / Electric Relaxation
06. cero / ticktack 
07. Meteor / アクアリウム
08. Med, Blu & Madlib / The Buzz (feat. Mayer Hawthorne)
09. Jay Dee / Brazillian Groove (EWF)
10. イシズカケイ / 理想の未来 (demo)
11. GAMEBOYS / KEEP IN TOUCH Feat. ROCKASEN
12. waniwave / セガサターンしろ (イシズカケイ Re-Edit)
13. Eric B. & Rakim / Paid In Full
14. イシズカケイ / tofubeats vs Malcolm McLaren
15. 坂本龍一 / 黄土高原
16. Level 42 / Starchild (1981 Remix Long Version)
17. SPORTSMANN / Blue Waltz (SPORTSMANN Chill)
18. especia / くるかな
19. 彩菜 / Last Regrets (イシズカケイ Re-Edit)
20. 森口博子 / 星より先に見つけてあげる

 

タイトルは『BEAUTIFUL DREAMER』。ご存知『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』のタイトルから拝借しているのですが、『ウディ・アレンのザ・フロント』という映画を今年見まして、そこからもインスピレーションを得てたりします。だからアートワークにもウディ・アレンを使わせていただきました。

このアートワークのグラフィックは、6時間ほどかけてデッサンをしたものを利用しました。正直へなちょこの素人ですが、このデッサンはちょっと気に入っていたりします。

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話は映画に戻りまして、『ウディ・アレンのザ・フロント』では、人間的に器が小さく、調子良いことだったり、嘘ばかり言う、クソみたいな主人公を演じるウディアレンが、最後でそれまで重視してきた損得勘定を捨て、人としての情だったり、社会規範を重視した行動をします。

 このラストがとても感動的であり、おじさんとしてのひとつの理想像だと思いまして、そんなこんな今回のミックスでは、普段は嫌われ者のおじさんかもしれないけど、心の奥底には理想だったり夢だったり持っている!そんな脳内イメージで選曲をしました。

 

聴きどころとしましては、3曲目の『tha BOSS feat.般若 / NEW YEAR'S DAY』でBOSSと般若の「1年間お疲れさん」というありがたい言葉と、12曲目の『waniwave / セガサターンしろ (イシズカケイ Re-Edit)』のセガサターン派だった人にとっては最高にエモく少数派の生き方を肯定するリリックの内容と、14曲目の『イシズカケイ / tofubeats vs Malcolm McLaren』は水星とWorld's Famousを使ったマッシュアップで…とりあえずそのへんです。

waniwaveの『セガサターンしろ』を貼っておきます。

 

是非、冬休みのホッコリとした時間で聴いていただければ幸いです。

また内PEEEでは、年末リリースラッシュがあったので、一緒に聴いてみてください。

www.mixcloud.com

酒のある風景 2015

今年もたくさんのお酒を呑んできました。

時にはあまりの美味しさに多幸感につつまれ、時には記憶を失くすほど荒々しく呑み、時には口が過ぎて後悔したときもありました。

また、ハッとしたとても良い呑みの席もありましたり、普段あまり話す機会のないアニメや漫画を延々と話せた呑みの席もありました。

一人で呑みに行くときには、仕事をちょっとがんばった日だったりするのでちょっと欲張って注文して、思っていたよりも勘定がいってしまったり、読んでいた書籍が居酒屋の空間とリンクしていつもよりもおもしろかったり、ほかのお客さんに絡まれて叱咤をいただいたり…笑

とにかく、そんな充実したお酒の時間を写真に収めて、instagramにアップしてきた1年のだったので、なんとなく良さげなお酒のある風景写真をまとめていきたいという自己満足なエントリーです。

 

 

酒の好事家とはこういうことかもしれないとか気取る😇

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 高尾山の途中の食堂で撮った一枚です。好事家とか気取ったコメントが今思うと少々辛いのですが…そこまでご機嫌だったということだと思います。

ちなみにお酒は肉体的に負担をかけたほうが美味しくなる!と実感しておりまして、登山とお酒は相性ピッタシだと思います。

 

 

 

熱燗やった

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仕事帰りにスーパーで即席鍋と半額になった押し寿司を買って自宅で晩酌。ただそれだけのことですが、その雑多感がそれがすごく良かったりするんですよね。今年だけで何回やったか…。

 

 

 

秋葉原で面白い店見つけた。出るときこんな店でごめんなさーい!だって☺️

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秋葉原にあるもつ焼き屋『元気』というもつ焼き屋で一杯。とりあえず若い韓国か中国の方が元気に働いている活気のある大衆酒場で、しかもみんな韓国ノワール映画に出てきそうな雰囲気のある顔立ちだったので、すごくアガったことを覚えております。また焼き場を担当している方が、くわえタバコしながらってのもすごく良い意味で印象的でした。

 

 

 

キュートな盃と干しホタルイカ☺️

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干しホタルイカは今年存在を知って、よくおつまみにしました。この杯はとても気に入ったのですが、友達の家でこの杯で呑もうと持って行ったら、落として割っちゃいました…。

 

 

 

松亭でSHIROBAKO😭

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今年最高のアニメだった『SHIROBAKO』の舞台となった、吉祥寺の松亭の一枚。女将さんもサービス精神にあふれていた方だったので、映像を流してくれてこれは本当に嬉しかった。また飾りっ気ない街の居酒屋って雰囲気もよかったなー。

 

 

 

天国にもっとも近い場所🍻

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稲田堤駅にある『たぬきや』に行ったらなんとやっていなかったので…多摩川の向こう岸にある京王閣競輪場へ行ったら、素晴らしい呑みスポットでした。全体的にダークカラーの先輩であるおじさん達に混じり、殺伐とした雰囲気の中で呑むお酒はたまらないものでした。来年も別の競輪所を攻めてみたいものです。

 

 

 

ベルク〜最高😸

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仕事帰り、新宿の『BERG』に寄り、サクッと呑んで帰る。最高ですよね。

 

 

 

来た♨️

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今年閉店してしまった『綱島温泉』。緩い雰囲気も最高だったですし、お財布にもやさしい場所でした。

 

 

 

酒場に呼ばれた🍻

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水道橋になる『もつ焼き でん』の写真。講習会帰りで一杯呑みたいなぁ〜とふらっと立ち寄ったお店。とにかく勢い良くて雑な感じが良いお店でした。またもつ焼きのメニューがたくさんあり、はじめて豚の脳みそ食べて、とにかくおっかない味がしたことを覚えています。

 

 

 

キャンプの練習だよ🔥🍛

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キャンプの練習ってことで実家の庭でキャンプセットを出して、カレーライスと一緒に一杯。とことんお酒でもっとも重要なのは少しのめんどくささとロケーションだな〜と思います。

 

 

 

 

久しぶりに北千住🍗🍸

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よく行く北千住の『ささや』での一枚。煮込みの大きい鍋を眺めながらチビチビしている時間は本当に愛おしいです。見てたらまた行きたくなってきた。

 

 

 

平日の築地最高💗

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平日に有給休暇をとって、朝から築地へ行ってきたときの一枚。正直この穴子丼は高かったのですが、それを超える満足度でした。この店で朝ごはんを食べてから仕事に向かうOL風の女性がいたのですが、なんだか粋だな〜なんて思っちゃいました。

 

 

 

香菜とシャムロック合うな🍶

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緑で合わせてみました。

 

 

 

 

お疲れ様サマー🐠

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コンビニで揃えられる夏ですね。

 

 

 

ワンカップでワインか🍷

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ワンカップのワイン。キュートですね。

 

 

 

暑さのせいさ🍻☀️

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その日、会社の効きすぎの冷房がいつもよりも嫌だったので、定時があがって新宿の思い出横丁にある『ささもと』へ行ったときの一枚。もちろん冷房なんて効いておらず、肉は氷で冷やしていた。この差異がよかったなー。

 

 

 

クラシック感😊

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両親に連れてこられた地元の焼き鳥屋。こういうクラシカルなグラスはどこで購入できるのだろう。ちなみにすごく良い店だったので、よく行くようになりました。

 

 

 

月曜に向けて高めてる😄

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祐天寺にある『ばん』というお店の一枚。みんなレモンサワーのレモンを積み重ねていて、この 店でのマナーなのかな?よくわからないけど、面白い光景でした。

 

 

 

うまそうなものをあげるしかない人生😐

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スーパーで魚介類を買ってきて、友達にいただいた酒で一杯。こんなにも簡単に幸せを手に入れることができるなんて…自分が単純だし、ちょっと怖いわ。

 

 

 

新島で食べたなんかの貝🐚

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新島行った時に入った居酒屋の一枚。かなり酔っていて正直あまり覚えていないのですが…。すごく雰囲気の良い居酒屋でお酒(島焼酎?)もおつまみも美味しかったような…。

 

 

 

farm

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実家の庭で友達を招待してバーベキュー。実家でのバーベキューなら卑屈にならないし安心して楽しめますね。

 

 

 

福しんの三種の神器 350円

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ひとりでさくっと呑んで帰りたいのなら『ふくしん』は使えますよね!

 

 

 

これの熱燗、最近おぼえた☺️

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地元の中華料理屋にて。この店で紹興酒の熱燗を覚えました。

 

 

 

ホルモン焼き好きすぎて家でやってる🍖

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もつ焼きが好きすぎて、家で再現してみました。満足はしたのですが、やっぱ現場が呑み食いするのがいいですね。

 

 

 

 

ニコニコしてしまう

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金宮焼酎はスーパーや酒屋でも見ることはなかったのですが、地元の酒屋に売ってました。したがって、自宅に常時キープをして、適当なつまみを作って呑んでます。これぞマイライフ。笑

 

 

 

ナイスミドル忘年会してる🍻

ishizukakeiさん(@ishizukakei)が投稿した写真 -

サブカル的なものを嗜んでいる友人達と毎年やっている池袋の『もつ鍋帝王』での忘年会。今年もおじさん達があれやこれやこうるさいけど自分的にはホッコリした会でした。

 

 

 

instgramを眺めているうちに、これもこれもと…ちょっと長くなってしまいました。とにかく来年も適度に適当にお酒を楽しみたいところです。

 

超・居酒屋入門 (新潮文庫)

超・居酒屋入門 (新潮文庫)

 

 

 

めんどくさいオジサンの2015年、おもしろかった漫画 ベスト10

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12月も後半に入り、今年もあと少しで終わろうとしてます。

今年もそこそこ漫画を読んだりしたので、おもしろかった漫画を10作品を紹介しようと思う。

自分はかなり熱い思いで、漫画や本やアニメや映画なの本当に楽しんでいて、感動したり、人生のこと思ったり、結構どっぷり楽しんでいるほうだと思う。もちろん現実でもそこそこ頑張っているのだが、これはただの…

現実逃避なのではないか??
大丈夫なのか?
俺…?
だってもういいおじさんだぞ?

なんて考えていたこともあったのだが、宮崎駿の『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡 』という本で、宮崎駿が「人生なんて退屈だから映画を見るんだ」みたいなことを語っていて、「そうか。人生なんてつまらないものだから、漫画や本やアニメや映画を見続けてもいいんだ」という気持ちが、強固になった年でもありました。

ありがとう。宮崎駿大先生。

 

 

10位 ヴィンランドサガ - 幸村誠

 

ヴィンランド・サガ(16) (アフタヌーンKC)

ヴィンランド・サガ(16) (アフタヌーンKC)

 

 

毎回出るたびテーマが考えさせるので、とても深い漫画になっていると思います。

9位 懲役339年 - 伊勢ともか

 

懲役339年 1 (裏少年サンデーコミックス)

懲役339年 1 (裏少年サンデーコミックス)

 

 

革命の話を最後までちゃんとやりきっていて、清々しい漫画でした。

8位 僕がいない街 - 三部けい

 

 

話の推進力になっていた謎が解明しても、まだおもしろいからすごい。

7位 鼻紙写楽 - 一ノ関 圭

 

鼻紙写楽 (ビッグコミックススペシャル)

鼻紙写楽 (ビッグコミックススペシャル)

 

 

感想はこちらから。

mendokusai.hatenablog.com

 

6位 波よ聞いてくれ - 沙村広明

 

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

 

 

感想はこちらから。

mendokusai.hatenablog.com

5位 ダンジョン飯 - 九井諒子

 

 

ダンジョンの奥深くでドラゴンに挑むも、妹を丸呑みにされてしまい、脱出魔法によって金や食料も失った冒険者・ライオス一行。妹が完全に消化される前に一刻も早く救出するため、食料をダンジョン内で自給自足で調達しながらドラゴンの討伐を目指す。スライム、バジリスクミミック、襲い来る凶暴なモンスターを倒し食べながらダンジョンを踏破する旅が始まる。(書籍の紹介文より引用)

 

出落ちになりかねなひとつのアイデアで、ここまで長くおもしろくなるのはすごいです。

感想はこちらから。

mendokusai.hatenablog.com

4位 なぎさにて - 新井英樹

 

なぎさにて 1 (ビッグコミックス)

なぎさにて 1 (ビッグコミックス)

 

 

人類は滅亡するために生まれてきたのか――――!?

 

主人公・杉浦渚はどこにでもいる普通の女子高校生。
杉浦一家もどこにでもいる普通の家族。

ただし、取り巻く世界は確実におかしくなっていた。
2011年に人類発祥の地・ケープタウンに不思議な木が生えたときから…

突如として世界各地に生え始める不思議な木…
強制的に「世界の終わり」を意識させられる人類…
刹那的な享楽にふける人…全てを諦め投げやりな生き方を選ぶ人…

全てが急速に変わり始めた世界の中で、
変わらないことを選び絶望に挑む、
家族の物語がここに開幕!!(書籍の紹介文より引用)

 

ザ・ワールド・イズ・マイン』『宮本から君へ』『SCATTER あなたがここにいてほしい』と…もうカルト漫画の巨匠って言ってもいいですよね?新井英樹大先生の新作です。
今作は2011年以降の空気感を切り取った世紀末モノでもあり、家族モノでもある。今回も変わった漫画です。
例えば、関東でM7首都直下地震が起きる可能性が30年以内に70%!なんて数字が出ていたりする。今すぐにでも首都直下地震が起きてもおかしくないのに、ラーメンを食べたり、酒を飲んだり、ゲームしたり、漫画読んだり、パチンコ行ったり、鼻ほじったり…とわりかしみんな普通の日常を送っていたりする。ただ、『首都直下地震が70%』という根拠がよくわからない数字だし、東北の地震もすぐに忘れちゃう。危機がなかなか感じられないのだ。
この漫画では、危機がもっと可視化されていて、それはありとあらゆるところに雲の上まで伸びている不思議な木が生えており、その木の実?が弾けるとアウト。しかも逃げ場なんかはない。世界中に不思議な木が生えているから。わかりやすく危機が目の前にある。そんな世界観。
だがこの漫画に出てくる主人公家族は、みんなで焼き肉食べに行ったり、くだらないことで喧嘩をしたり、主人公は恋をしたり…強い意志で日常を過ごしているというか、日常は最強!!!みたいなテーマで新井英樹先生の切り口はさすがだな~と思えちゃう。
また、この漫画の魅力は新井英樹先生の作品には珍しく、主人公が少しぶっ飛んでいるが、まあストレートにかわいい。その辺も注目して読んでもらいたい漫画です。

 

3位 みちくさ日記 - 道草晴子

 

みちくさ日記 (tourch comics)

みちくさ日記 (tourch comics)

 

 

13歳の若さで「ちばてつや賞」を受賞し漫画家としてデビューするも、
ほどなく精神科病院に入院……著者が歩んできた15年以上にわたる
途方もない“人生の道草”と、再び絵筆を執るまでの涙と笑い、そして再生の記録。(書籍の紹介文より引用)

 

トーチで連載していたインターネット発の漫画。あらすじにあるように13歳で「ちばてつや賞」を受賞した少女が、その一年後には服を着たままシャワーを浴びて発狂。精神科病院に入院するのであった。その病院と外の世界を行き来する生活を、時にはのほほんと、時には自虐的に過ごす日々が描かれている。
物語はリアルな感じで辛い出来事が起こるのだけど、それをどこがおかしみを発見してうまくやり過ごす。道草晴子さんの性格なのかもしれないけど、それがすごくチャーミングで作品の魅力になっています。

同じような漫画では、卯月妙子の『人間仮免中』という漫画があるが、そこまでハードではなく、吾妻ひでおの『失踪日記2 アル中病棟』ぐらいのゆるい気持ちで読めて程良い感じ。
また作中で障害者と健常者の違いって何?みたいなことを、道草さんは考えるのだけど、想田和弘の『精神』のテーマと似たような感じもあり、そういうところを少し考えさせてくれるところも良い。

そして自分が大好きな、しまたけひとの『アルキヘンロズカン』を読んだ後と同じように、少し背筋な伸び、前向きになる読後感は、なかなか味わえない感覚であり、そういう漫画を読めたことは、とてもうれしく感じています!

 

2位 夕方までに帰るよ - 宮崎夏次系

 

夕方までに帰るよ (モーニング KC)

夕方までに帰るよ (モーニング KC)

 

 

ひきこもってしまった姉、カルト教団らしき怪しげなクラブ活動に熱を上げる父母、そんな家族と真正面から向き合えない「僕」……。

壊れかけた一家を通して描かれる、誰かと?がっていたいのに誰とも「本当」には?がれないすべての人に贈る99%の絶望と1%の希望の物語。(書籍の紹介文より引用)

 

あの!あの!今をときめく星野源!がタマフルで大推薦していた宮崎夏次系の新作。そして、宮崎夏次系初の短編ではなく続きモノです。1巻で終わりますが。

宮崎夏次系の魅力は、ギャグとエモとシリアスのバランス感覚が絶妙なところにあると思います。
今作は、カルト宗教団体にハマっている父と母を暮らしながらモヤモヤしている主人公が、別の怪しい人物の洗脳により、一人暮らしをしながら自宅にひきこまってしまった姉を救い出そうするお話です。こう書くと結構シリアスな物語だったりするのですが、今作も絶妙な絵柄とギャグでそう思わせないところがすごい。なんとなく園子温の『愛のむきだし』に似てるかも。
また、ちょっとでもエモにお話がふれると、唐突なギャグで照れ隠し!のようなパターンが今まで多かった印象(これはこれで良いです)なのですが、この作品はエモの照れ隠し具合が今までよりも弱く、最後泣かされそうになりました。宮崎夏次系の作品の中では、最も感動させてくれるストレートな作品に仕上がっている印象です。
同時発売された『ホーリータウン』も、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『マグノリア』のような群像劇ですごく面白かった。

 

1位 奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール - 渋谷直角

 

奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール
 

 

奥田民生に憧れる35歳のライフスタイル雑誌編集者・コーロキは、仕事で出会ったファッションプレスの美女・天海あかりにひとめぼれ。

しかし、それがコーロキにとって地獄の始まりとなるのだった……。

もう決して若くはないとはわかっているけど、仕事で迷い、今後の人生を憂い、うっかり恋に狂ったりもする……いつになったら、奥田民生みたいに「力まないカッコいい大人」になれるのか?

青春の最後の最後の残りカスのなかでもがき苦しむover35男たちの人生迷走曲!(書籍の紹介文より引用)

 

 

『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生 』で一気に売れっ子漫画家?になった渋谷直角の新作漫画です。
『J-POPのボサノヴァカバー…』にくらべれば毒っけが減って、物足りないって方もいるようですが、自分は今作のほうが好きです。っていうかものすごく好きなのです。
『J-POPのボサノヴァカバー…』は徹底的なシニカルな目線で、それがこんな漫画ばかり読んでいる自分にはグサグサきて最高なのですが、『奥田民生になりたいボーイ』では、シニカルな目線もありつつ、一周して愛が溢れている。

どんなに素敵な文化やイケてる音楽、質の良い洋服、趣のある家具、理想的なことが書かれた素晴らしい本など読んで武装をしても、現実に起こるみみっちいことに翻弄されるし、欲望から自分もまたみみっちい行動をとってしまう。だけど武装はやめられない…好きなんだもん!そんな感じだ。

また、女関係のいざこざにザワザワし、最後はサイコスリラーな展開になっていくスリリングなストーリーは『J-POPのボサノヴァカバー…』にはなくて、明らかに進化しております。そして今年読んだ漫画の中で最も熱く!面白かった漫画です!

 

 

 

そんな感じで2015年の面白かった漫画でした。

来年も退屈な人生の隙をみて、漫画をたくさん読もうと思います。

 

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